仰げば尊し 和菓子の餡

仰げば尊し 和菓子の餡

卒業式でよく歌われる歌に、
『仰げば尊し』というものがあるのは皆さんご存知だろう。

私も歌ったことがあるが、
小・中学生にとっては歌詞が小難しいので、
歌の意味は当時理解していなかった。

あおげばとうとし わが師の恩

という冒頭の歌詞を
「あー和菓子が好きなんだ」
くらいに思っていた。
脳内が高血糖である。

しかし、大人になった(いつからが大人なのか、というのは議論の余地がある)ある日、
『仰げば尊し』の歌詞を改めて眺める機会を得た私は、
今度は義憤に駆られて高血圧になった。

歌詞の意味を知ったからである。

少し話は逸れるが、
実は『仰げば尊し』は、
昭和から平成にかけて、卒業式で少しずつ歌われなくなったと言われている。
原因としては、
「身をたて名をあげ」というような時代錯誤とされる歌詞があることや、
単純に言葉が難しくて本人たちが何を歌っているのか分かっていないということが挙げられる。
ただ、一方で依然として
『仰げば尊し』を卒業ソングに採用している学校もあるのは事実である。

さて、そんな言葉が難しい『仰げば尊し』を訳してみよう。
あおげばとうとし わが師の恩
(訳:先生まぶしすぎてパネェっすわ、マジリスペクトっす)
である。

おいちょっと待てと。

これ先生が歌わせてたのか?
先生が?
生徒に?
それで泣いてたの?
え?

私は、『仰げば尊し』という歌自体が問題だとは全く思っていない。
自らの師に恩義の念を抱く人もたくさんいるだろうし、
「身をたて名をあげやよはげめよ」という言葉は旧時代的かもしれないが、
要は「卒業してもがんばれよ」という励ましの言葉であって、
そういったオハナシの歌になっていることは別に問題ではない。

この歌詞を教師が生徒に歌わせている。

これこそが、
私を高血圧にさせた点であり、
私がその日胡麻麦茶をガブ飲みした原因である。

生徒たちの企画で、
生徒たちが希望して
「『仰げば尊し』を歌わせてください!」となって歌うなら、
理解できる。

だが、多くの学校では、
そんな民主的な手続きがとられたうえで
『仰げば尊し』知事が当選したとは思えない。
「昨年も歌ったから」という管理職教員たちによる保守的な天下り人事で
『仰げば尊し』元事務次官は職を得ているに違いない。

あるいは、その管理職教員たちも
「和菓子かぁ…洋菓子派だなぁ私は…あ、でも今日紅白饅頭出るじゃん!やった!」
という脳内高血糖を罹患していると言うなら、
クッキーでもゴーフレットでも持っていくから、
それで得たブドウ糖を使ってもう一度この歌を生徒に歌わせることについて考えてほしい。